【推薦 もしも一年後、この世にいないとしたら。】
この数日読んでいた本です。
新書サイズなのでそんなに時間がかかるわけでもないですが、きちんと向き合って読み進めたいと思わせる一冊、
「もしも一年後、この世にいないとしたら。」
著者はガン専門の精神科医、診療内科医。
著者が向き合ってこられた症例と患者の数々、と精神科医とはどういうものか。
それだけでなく本書を読み進めるとわたしたちが普段の人生を生きていく上で忘れてはならない大切なこをとソフトな語り口で諭してくれるようなある意味啓発的な意味合いもある深い内容です。
目次ばかりでなく、今の自分のココロの琴線にふれた文章を全てここに書き写してしまいたいほど心情に重なっている所で書き尽くされていると云っても過言ではない。
ちょっとしたビジネス書なんかを読んでいるくらいならこちらを重ねて読み返すほうがよほど有益です。
そう「やる気の出ないあなたに効果のある◯◯!」なんてメソッドに気を惹かれるのなら、この本を手にしたほうが何よりも効果があります。
引用ね。
〜人生の締切を意識すると、明日が変わる。
「もしも1年後、この世にいないとしたら――」
そう想像したとき、今やろうとしていることを変わらずに続けますか。
それとももっと別のやりたいことをやりますか。〜
個人的にもわたしはいまターミナル期も終わりに差しか掛かっている方と関わる機会がある。
お一人は膵臓ガン、もうお一人は老衰です。
否が応でも終末へ向けての意識を高められる巡り合わせを迎えているので気持ちの中でもしっかりしていきたいな、とそう思えます。
やりたいことをやりきれずに人生を閉ざしてしまったり、
最愛の人を見つけた途端に命を落とすなんてこともあったりするのだから
人生は冷徹だし思い通りに行くこともそうそう無い。
生きている以上死ぬと分かっているのだけど、
なぜ今こうしているのかと哲学にも思える命題、
答えを出すことは難しいことですが、
あれこれ考えたり悩んだりすることはない。
ただ人として生まれて来てしまったのだからあとはきちんと生きていくことを全うすることだけを考えていればいいのだよね、今わたしが生きている意味はなんて問うところで然したる意味ない。
もう存在してしまっているのだから、あとは自然の摂理、神の意志、自分の目標の向かって生きて行くだけのことなのだよ。
今日を思え、今日が最後なら?
まわりの人との関わり方に後悔はないか、やるべきことはやり遂げたか。
子供への挨拶、家族への愛は伝えましたか?
全てがノーならそれはあなたがそういう生き方を望んでいたということだ。
誰しもどこかで「人に迷惑をかけないようにして生きていきたい」と願うことがある。
10代の頃の恋愛みたいにに愛するはあなただけ、
パートナーさえ幸せになってくれたらという発想はもう無い。
わたしたちも大人になって世界のより多くの方々が一人でも多く温かい気持ちに満ちた人生を送っていけることを願い、そのために自分ができることに最大の才能と努力を自分の残された時間すなわち人生に使っていこうと働き始める。
ウィッシュリストを一つづつ叶えていく映画もあってそれはそれで楽しい作品だったけれども、わたしは個人の満足のために時間は使わないだろう。
もしもではないあと一年後、この世にいないのだからとするならそう、単純に自己満足的なことで終わりにせず、何かひとつ世の中全体のためにできることを成し遂げてみたいですよね。
たとえベッドの上で何も出来ない状態になっていたとしても。
今日もファイトです。