【悩殺!傑作!人類絶滅! トビー・フーバーのスペースバンパイア】

思春期オールナイト映画クラブ。


今こそ映画らしい映画を見ていこう。

大手のメインストリーム系よりも
後味悪くてもいつまでも記憶に残ってくれる作品を。

何度も自分のライブラリーから取り出して
繰り返し味わってみたくなる映像作家の魂に触れていこう。

大人になったら自分の人格形成に役に立った作品は
しっかり本棚にストックしていこう!


今回の作品はこれ、
トビー・フーパー監督の
「スペース・バンパイア」(Life Force)

 

 

 

 

 


1985年の映画だったのかと、そんなに古い感じもなかったほど
鮮明な記憶が残っている名作「スペース・バンパイア」(Life Force)。

やっぱりスペース・バンパイアなんて云うより「ライフフォース」、
原題の方がしっくりくるなあ。それと↑のポスター、素晴らしいよね。

スペース・バンパイアだなんて邦題、
中学生レベルの発想力でププッ、
なんておかしく思うかもしれないが、
内容はかなりハードに攻めていると思ってます。

そう、ハナから中坊を相手にした
ハードコア・サイエンス・フィクションだよっ!
悩殺!傑作!人類絶滅だよっ! 

監督はトビー・フーパー(Tobe Hooper)さん。

云うまでもなく「悪魔のいけにえ」
(The Texas Chain Saw Massacre)の監督で、
自分も後からあらためてフィルモグラフィーを見ると
自分も好んで見ていた映画をたくさん撮っていたことを知って、
なんとなく通じるものがあるのかと勝手に合点がいきました。

それよりスペース・バンパイアと聞いてもうアレでしょ、
マチルダ・メイしか見どころがないしょぼいホラーでしょ! 
と言った方、それはダメですよ。


もっともわたしも初めてリアルタイムで見た時は、
訳もわからず変な女宇宙人が男の生命エキスを
吸い取ってしまうというくらいのストーリーかと思っていました。

そりゃあね、ヌード見たさのホラー鑑賞と言わたって否定のしようがない!

でもストーリーは実に宇宙的な設定がなされています。

これを書きながら調べたら脚本には
ダン・オバノンが関わっていたことが分かりました。

〜〜簡単ストーリー〜〜

ハレー彗星探査の任務を帯びたスペースシャトル「チャーチル号」は、
彗星の近くで巨大な宇宙船を発見し、その船内から全裸のヒトに酷似した
男形2体と女形1体が入った各カプセル3基を回収した。

それから1ヶ月、女形が突如起き上がりロンドンの街へとまぎれる。

それからチャーチル号の船長カールセンを乗せた脱出カプセルが
テキサス州(!)に帰還する。

生命エネルギーを吸収して生きるバンパイアをカールセンと
英陸軍特殊部隊SASのケインと共に追跡を開始する。

 

 

 

宇宙で訳のわからない生き物と遭遇して一目散に逃げ回ったり、
バトルを繰り広げたりする映画を連想しますし、
クリーチャーが変身や変態して、
血みどろの仕上がりもできたでしょうけど、
生気を吸い取る男女という設定が怖いですね。


そこが面白いところです。

生命エネルギーを吸い取る。

生気、すなわちそれがライフフォースということ。

ここでのバンパイア描写はゾンビと通じるものがあって、
犠牲となった人は自らもバンパイア化して行きますがなんと時限制。

バンバイアの体がライフフォースを求めている、
それが犠牲者が犠牲者を作り出していく理由だった。

後から見直して気づいたことがあって、このバンパイア、
獲物対象とした相手の脳内にアクセスして対象の望むような姿を
印象づけてから襲うと云うような技がある。

ここではカールセンの意識、理想、カールセンのこれならお前、
否定のしようがないだろう!的な欲望をそのまま具現化した姿を反映したようだ。


それなら、別に色仕掛け出なくてもその対象が会いたいと思っている相手を
想起させることで異性をターゲットにしなくても難なく捕獲できそうな気もしますよね。


こんなふうに襲われてしまうのであったら、誰もなんの抵抗もなく負けてしまいます。


世の中には人の心を狂わせる魔性というものがあるが、
カールソンも「今まで感じたことのないような激しい恋心」を抱いてしまった。

戦意を喪失させるいうなら本当に有効な戦い方、
侵略の仕方だよね。

 

これじゃあ、誰だって堕ちるわ。

 

エイリアンやゾンビで描かれた恐怖映画のテイストは
てんこ盛りなのですけれども、
なんとなく小さくまとまってしまった印象が残るかもしれません。

でも、カスカスに干からびた犠牲者が動き出したり、
僅かですけど血まみれの中から女バンパイアが出てきたり、
ミイラ化している女バンパイアの全身が暴発したりと、
ビジュアル的にも頑張ったところは見ていて楽しいです。

映画は佳境に入ると舞台となっているロンドンは
ミニマムだけれども地獄絵図と化していきます。

ゾンビならぬバンパイアもわんさか町中に!

ラスト、バンパイアの弱点を知ったカールセンは決着をつけるべく
女バンパイアに対峙するけど、、それってさぁ。(笑)

ヨシっ!と膝を打つようなエンディングではなく、
カメラは呆然自失となったケインを俯瞰します。

最期にはみんなそれぞれの死を死んでいくのです。

これもドラマティックでいいと思います。

余談ですが曜洋画劇場にてテレビ放送された際、
解説の淀川長治氏は本編そっちのけでマチルダ・メイの裸体について語り、
「色々な意味で夜眠れなくなる作品」
「テレビでこんなにオッパイの丸出しは、
なんとも世の中変わりましたねぇ、と思いましたよ」
等と発言したそうです。

劇中、巨大なコウモリの形態をした異星人、
その死骸も出てきましたから裸ばっかりじゃなくてこっちの異星人、
クリーチャー系とのバトルとかも盛り込んでくれたら
作品も一風変わったものになったと発想しますけど、
そこはトビー・フーパーもちゃんと考えたところでしょうね。

 

 

今では映画のレイティングシステムによって、
表現も規制されているからポロリもチラリも血飛沫も
R15とかR18とした範疇で描かれてしまう。

そこがアーティストへの足枷になってしまっているのなら
なんとも残念なことですよね。

そう考えると70年代、80年代は今思えばなんだかなあーと
思えてしまうように見えても、実はちょっと狂ったくらいの
世界観を持っている作家の方が楽しく活躍できたのかもしれません。

 

ビジュアル的には作れないものはないとさえ云われている技術がありながら、
想像力の範囲には大きく制限がかけられてしまう世の中になってしまいました。

仮にも一国の大統領の発言をGAFA、
それからTwitter社が検閲を加速させ強烈な制限したり、
中共に支持を持たせるように仕向けるような
世論や言論制圧をしているくらいなので、
作家性とかオリジナル性といった範疇のことは
もうどうでもいいようにしか受け取られていないのかもしれません。

 

さて、久しぶりに本作を見直して
リアルタイムでははっきり理解できていなかった点。

まず、そう、ハレー彗星。

映画を見返していて名前を思い出したハレー彗星。

76年周期で地球に接近?

どれどれ、

ハレー彗星は、75.32年周期[1]で地球に接近する短周期彗星である。
地球から肉眼で見える唯一の周期彗星であり、
かつ人によっては唯一生涯で2度見ることも可能な彗星である。
多くの周期彗星の中で最初に知られた彗星であり、
古来多くの文献に記録されている。前回は1986年2月に回帰し、
次回は2061年夏に出現すると計算されている。

 

 

こうした時代背景もストーリーの中に含まれていたんだね。

と今更ながらに感心する。

それと、原作はコリン・ウィルソン。

こんな話も書くんだねえ、と実はこっちの方にも驚いた。

マチルダ・メイの裸がクロ-ズアップされるだけの
カルトSFというには勿体無い。

このパニックを引き起こしているロンドンに
行ってみたいとさえ思わせる魅力を感じますよ。

 

 

 

 

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