【認知症ケア 会話の噛み合ない方を誘導するには】

 
ケアプラン更新にちなんで前回は認知症対応時の声かけについて
個人的に思うことをまとめてみましたが、
今回は声かけプラスアクションという内容に踏み込んでいきたいと思います。
 
●ご利用者様と連れ立って歩く時にご利用者様よりも早く歩くこと、
例えるなら手を引いて先を急いで歩いているようにも見えること。
 

なんとなくいかんなあとする理由のひとつ、
云うまでもなく転倒の危険ということですよね。

 
 
 

身体的な状況を汲んで応対をしなければ相手もこちらの意図と
同じく動けることはないのですから
そうした配慮が求められますよね。

 

 

でもこちらの意向にそって相手を誘導したいと判断するときにはどうしたらいいのか。

 

 
ただ相手のペースに合わせるばかりではいつまでたっても
そこから一歩も動けないという時もある。
 
マインドセットとして簡単に思い浮かぶことはイライラしない、
じれったさを感じないとちょっと聖人君子的なことが求められるのでしょうけれども、
打開策の一つのものとしてはこの場面だけに張り付いているだけでなくて、
多くの現場への目配せも必要だからマインドセットばかりではなくわたしが今ここにいますよ!
とした状況を周囲に伝えておくことが必要ですよね。
 
 
 
ちょっとしたタイミングでケア担当のスイッチを切り替えることで
すんなり誘導が可能になったなんてこともあるのだから一人で抱えこもうとしないことですね。
 
 
 
 
●会話の噛み合ない方を誘導するには。
 
 
 
 とりあえずは話しを合わせながらも大抵は「どうしたんですか」とわたしはよく伺います。
 
 
 
例えば「帰りたい」とか明確な理由が引き出せたとしたらまずはあなたは帰れます、
あるいは帰ることができますということをしっかり伝えます。
 
そのあとで今、◯◯さんは帰れる準備ができていますか? 

 
など話しを変えていきながらもちょっとずつ状況整理を重ねて最終的には少し座って待ちましょう、
と締めることが多いものです。
 
 
 
歩き出しはどちらかというと相手を先に進ませて背や腰を軽く添えるくらいで押さないことを意識してみます。
 
方向を変えたいときにその方向へかるく手のチカラを込めますが、
それもちょっと触っているというくらいのもので、
引いて歩くという感覚はできるだけ排除していけたら良いのではないでしょうか。
 
 
 
人によっては右とか言っても理解できない場合もある上にそこへ「あっち」「そっち」
と伝えても意味がないです。
 
 
 
そんなときに思わず手を引いてしまいがちですが、
ここでわたしたちは後ろから支えるように歩かせていこうとできるのであれば、
介助手順がどうこう云わなくても大概のことはうまくいくはずです。
 
 
 
 
それから特に気をつけたいのは弱視の方です。
 
 
 
視力を補う意味でもこちらからの声かけや誘導手順は必要とされますが、
もっと気をつけたいのは相手の意向をこちらが理解しているのかというところでしょうね。
 
 
 
食事席に向かっているのか、体操をしにフロアまで出られるのかと移動にも目的があるわけなので、
身体というよりニーズへのサポートが求められますよね。
 
 
 
今現在できているところを直接ご利用者様に伝えていけたら
介助の技法もどんどんレベルアップしていけると思います。
 
 
 
 
ここにあげたのはほんのひとつの例です。

どんな場合でも相手のペースを重視してみましょうとした意識で頑張りましょう。

 
 
 
ファイトです!

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