【認知症が原因!? 社会のルールが分からなくなる脳障害】
認知症対応。
いきなりですが、
それ、アルツやレビーじゃなくてピックでしょう!
認知症といえば詳しく知らない人でもアルツハイマーとか、
アルツハイマー「型」なんて言葉は聞いたことがあると思います。
他にも代表的な症例ですと、幻視で日常生活に混乱を生じさせるレビー小体型、
もう一つピック型なるものがあります。
アルツハイマーなどでしたら、
ほとんどの場合短期記憶が保てないということが挙げられます。
体験したこと事態を忘れてしまうんですよね。
だからご飯を食べているそばから
「わたし、ご飯をまだ食べさせてもらっていない」
なんて言ったりすることが日常的に多くあります。
<このような事例>
診断名としてはレビー症と書かれてはいるものの、
幻視などレビー症と思わせるような言動は一切なく、
会話もまずます可能。
今日お風呂に入りましたか? と聞くと、
「昨日入った」
と時間軸の整理も自分でできる。
毎回居宅療養管理書を見て思うことは、
この人は絶対にレビー症なんかじゃなよなー、
と思うところがあったりします。
そう思わせるに至る言動が、食事にまつわることにあったりします。
お通じや入浴をいつしたかと自分では完璧ではないにしても今日、
昨日くらいのことなら返答できるのに、
食事となると一切判断や思考が停止してしまうようだ。
「ご飯まだ!?」
「早く食べさせてください!」
「あー、お腹減った」
「ご飯は何時ですか!?」
と、ほぼこの4センテンスの繰り返しとなってしまう。
それだけならいいのだか、歯止めがきかなくなってしまうと、
調理中の鍋に手を入れて食材を取ろうとしたり、
レードルをすくい上げて熱さもかえりみずそのまま召し上がってしまう。
周りの方よりも食事の遅い方のお膳を見据えて、
手を出して摘み食いをしたりと、
食事に関してはそういう自制がきかないことが日常茶飯事になってしまっている。
異食、盗食、これを悪びれもせず行ってしまうケース。
そう、感情的な動作で周囲への見境がなくなってしまって
社会生活が不適当なのではと判断されるタイプの認知症、ピック型。
要するに認知症って、いろんなことを忘れてしまうんでしょう、
と言われてしまいますが、なぜそうした症例ごとに拘って見ていきたいとする理由はこれ。
ケアのアプローチの仕方が少しづつ異なってくるからなんですよね。
仮に独居でピック症を患っているのだとしたら、
買い物に行ったついでに万引きしてしまったり、
物を壊したり、社会性のあるルールが守れなかったり
というような事例も多く見られます。
よくあるでしょう、
認知症を患っていたため責任の追及ができるのかどうかという裁判に至るケース。
人のココロも脳の障害についてはまだまだ医療も追い付いてはいない。
それに加えて日本の裁判はとにかく時間がかかりすぎる。
裁判官自体も認知症分野の専門医ではないので、
裁判官その人にあなたならどうするのかなんて質問をしたところで
それが正しいという回答には結びつかない。
そうなのだ、、、認知症対応には正解などを求めることができない。
だからこそ、認知症ケアのスペシャリストとなるには
どんな資質が求められるのかというと、
まずは最低限は相手の話を聞いてあげられることですね。
先の食事を求める方に対してのアプローチでしたら、
1回の食事も一口分ごとに小さく小分けにして短時間ごとのスパンで提供するとか、
気の紛れる時間を一緒に過ごしてもらうことで
食事への意識から離れてもらうのかということが
まあ、思い付きますよね。
本人だけでなく周囲の家族や職員が疲弊しないような
環境作りしっかりやっていきたいものですが、
やっぱり難しいものです。
ここで「前頭側頭型認知症(ピック病)の症状」についておさらいして見ます。
・認知症の代表的な症状である記憶障害、見当識障害はなくても、
性格や行動に異変を感じたら要注意です。
「病識の欠如、無関心」
病初期より病識(病気の自覚)は欠如している。
病感すらまったく失われていると感じられることも多い。
他人の思考や感情を推察できないため、他者に対して無関心になる。
脱抑制:社会のルールが分からなくなる
- 注意の持続困難(落ち着きがない)
- 日常的な無感情と不意におとずれる感情の爆発
- 社会的な関係や周囲への配慮がみられない
- 関心がなくなると部屋から勝手に出ていく(立ち去り行動)
- 万引き、無銭飲食、放尿、本能や気分の赴くままふるまう
- カラオケのマイクを離さず、人に譲らない
- 過ちを指摘されても、悪気なく同じ行為を繰り返す
常同行動:同じ行為を繰り返す
- 徘徊ではなく同じコースをひたすら歩く「周徊」
- 紙に同じ文字を書き続ける(同語の反復書字)
- 絶えず膝を手でこすり続けたり、手をパチパチと叩いたりする
- 毎日、決まった時間に散歩等、決まった行動をする(時刻表的生活)
易刺激性:周囲の言動に刺激を受けやすい
- 相手の動きを無意識にまねる(模倣行為)
- 視覚に入ってきた看板の文字をいちいち読み上げる(脅迫的音読)
- 相手の言葉をそのままおうむ返しに応える(反響言語)
- 何かの文句につられて即座に歌を歌い出す
- 眼前に置かれた物品を指示なしに勝手に使用してしまう(使用行為)
食行動の異常:特定の食べ物に固執
- 食欲の変化は、早期に認められる(食欲増加)
- チョコレートやジュースなど甘いものを毎日多量に飲食
- 十分に咀嚼せずに嚥下するため食事速度が速くなる
- 決まった少品目の食品や料理に固執する
記憶や見当識は保たれている
- 最近の出来事はよく覚えている
- 日にちや時間、人の名前も間違えない
- 道や部屋などの場所は覚えている
対応策の参考までに
「例えば、前頭側頭型認知症の特徴、常同行動を活用する
『ルーティーン化療法』は有効なケアのひとつです。
いつも同じ時間、同じ場所で行動することを好む特性を利用して、
散歩やカラオケなど、本人の趣向に合った好ましい作業を
日課として固定化すると、続けやすくなります。
行動障害を軽減するには薬での治療だけでなく、
病気の特徴を十分理解したうえでのケアやリハビリを行うことが大切です。」
とありました。
そうそう、こういう考え方が必要ですよね。
そして基本に立ち返って、変なレッテルをはったり先入観を無くしていくことですね。
すべては脳機能の障害です。
明日は我が身としてしっかり受け止めます。
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個別には対応できないことが多いですが必ず目を通しており、
今後の発信に活かしてまいります。
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