【ガン 終末期ケアに向けて 「告知」】

 
 
 
【ガン 終末期ケアから】
 
 
 
「告知」
 
 
 
β子さん、突発的な発熱からコロナの感染を疑う。
 
 
 
往診医師からの指示で解熱剤を投与するとわずかな時間で効果あり。
 
 
 
翌日、血液、CRP検査のあと外来受診を勧められそのまま検査入院となり、
一行程を終え退院。
 
 
 
その後のフォローでの外来受診です。
 
 
 
 
通常診察で医師はニコニコ、
最近はどう? お変わりないですか? と問いかけられました。
 
 

コミュはそこそことれるけれども重度の認知症があるから、
もっぱらわたしたちが後出しで正しい情報を医師に伝えていた診療時間です。
 
 
医師が「では、β子さん、ぼくはこのあと息子さんとお話があるから
ちょっと外で待っていてくださいね!」
 
 
ということで、β子さんと付き添いの上長は室外で待ちます。
 
 
 
医師、ご長男、それからわたしという三者での中で説明を聞くことになりました。
 
 
 
「発熱がきっかけということでしたが、
PCR(コロナ)検査の結果も陰性で、
もう一度血液検査をしました。
 
狭窄ということで処置をしてきましたが、
時間も経ったので改めて検査をしてみて返ってきた結果、
ガンでした。」
 
 
と伝えられました。
 
 
 
 
「ガンのステージは3~4、末期です」
 
 
という説明に、
わたしとしてはガンであったことに驚くというよりも、
残された時間、つまりは余命を宣告させて
締切が明確になってしまったことに対して
 
 
「!」
 

の印象です。
 
 
 
医師はガンと伝えるにも、
この場で余命を宣告するにも躊躇も遠慮もないのですね、
なるほど、これが医師の覚悟というもの。
 
 
 
もっとも、何にもはっきり言われないほうがこちらとしても
困ってしまうものですが、やはり目の当たりにしてしまうと
一つ一つの現実を突きつけられる感覚です。
 
 
 
症状としては腹部の痛み、食べられない、吐くなどのことがありますが、
手術も治療もできないので今後は緩和医療になる。
 
 
 
経過観察をふまえながら今後の対応を考えましょうと
締めて今回の診断は終了。
 
 
 
 
ガン、終末期ケアに向けて 「告知」。
 
 
 
放心ということはなかったのですが、
グイと大きなチカラでギアが入れ替わったような軌道修正を覚えます。
 
 
 
なんだろう、この気持ちはつい最近もあったような…、
そう、緊急事態宣言下の流れの中での感じた気持ちです。
 
 
 
 
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今、わたしたちが出来ることは?
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認知症を患って自宅での生活が困難になって介護施設に入居。
 
 
 
そこでの生活不活発から体力低下による転倒と骨折、
入院時の臥床時間から退院時はさらに認知レベルも低下、
そのタイミングでわたしと出会った訳です。
 
 
生活不摂生と書いてしまうと誤解も生じますが、
決してサービスや運営が悪いのではなく認知症ゆえの
活動量の低下というものですね。
 
 
 
 
最初はまずまず意志の疎通も可でありましたし、
こちらの名前も顔も覚えてはいられませんけど、
人の判別はできるみたいでわたしも出社すれば
「おはようございます」と自ら声をかけてくれるようになりました。
 
 
 
 
義歯を外して欲しい、と伝えてもなかなか理解できず
入れ歯を洗うだけでも相当な時間を要したり、
トイレに誘導した際には便座への着座を勧めるものの、
脱ぐ、座るができず立ち尽くしたままで支離滅裂なことを
言ったりするなどありましたが、今振り返ると可愛いものですね。
 
 
 
そういえば、音楽をかけていたら合わせて歌っていることが多かったな、
なんてことを思い出します。
 
 
 
 
 
 
 
さて今、わたしたちがβ子さんにできることはといえば?
 
 
 
 
まず、更新したばかりのケアプランがあるので
その内容でのサービスをもれなく実施する。

ADL情報やらの個人的な情報は事細かに書き出せはしないけれども、
おおかまにはこんなところをあげています。

 
 
 
 
体力の維持
 ・トイレ~車椅子間の立ち上がり、歩行ができる。
 ・離床時間を保持して座位がとれる。
 
自分でできることを続けられるようにする。
 ・歯磨きができる。
 ・更衣ができる。
 
 
いずれ、ターミナルケアとしてのプランに
書き換える時期が来ますがそれまではこの形で頑張っていきます。
 
 
 
これに加えて、
 
 
・日中、夜間などの本人の表情、意識、希望などを伺う。
・急変時における医師との連携。
 
 
 
などが最低限必要になってきますよね。
 
 
 
 
わたしも、あらためて病気について、
CRP検査とは? など、とりあえずネットにある情報は
調べたりもしてみました。
 
 
 
 
今回の受診ひとつで何より目の前の方への見方が変わってきました。
 
 
 
 
 
人生の締切が明確になってくると、診察室、病院を出るとすでに見える世界が変わってきます。
 
 
 
病気が私事ではないにしても、
これからの関わり方でβ子さんが温かい気持ちで人生を全うできるかどうか。
 
 
 
もう一度、終末期(ターミナル)に関する本を読んでおかないとなりません!
 
 

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今までなされてなかったことなどもどんどん思い起こされますが、
過去の足跡を眺めてあれこれ思い悩むよりは常に前を見てという気概でね、
この先できることを懸命にやっていきましょう。
 
 
 
 
 

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ご感想や気づき、発見がありましたらこちらまでメッセージをください。
個別には対応できないことが多いですが必ず目を通しており、
今後の発信に活かしてまいります。

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