【認知症対応 物が無くなる、片付けの支援をどうしてる?】

 日々の物忘れや周囲への関心の薄れてきたご利用者様へのケアプランに
「身の回りの片付け、衣類などの整理をご利用ができるように支援させていただきます」
とした指示があります。
 

 片付けというテーマひとつを取ってもADLから発想されるプランなのか、
認知症対応のひとつとしてのプランなのかで介入方法も立ち位置、視点と全てが変わってくるものです。

 
 意図して書かれたケアプランではありますが、その背景たるやどんなものかと思うところ、
こちらもプロなので限られた情報から背景を読み取ることも訓練していかなければなりませんね。
 
 同時に相手にもそのあたりが伝わるような工夫をしなければなりません。
 
 
 認知症対応では日常的に多く見られることのひとつにモノを無くす、
片付けた場所や自分でしまったこと自体を忘れてしまうパターン多いもの。

 
 
 さて、ケアである立場のあなたならどうする? 
というお題ですが、
 
 
 
「ひとつ設定を加えて日常会話は可能であるが短期記憶は相当薄れている、
一人での外出はさせないとする認知レベルである」
 
と仮定します。
 
 
 
 認知症による混乱や周囲への影響が見えている方への関わり方とすると、
いきなり片付けをしましょうと提案を伝えるより先にその人の生活リズムとかどんな物が部屋にあるか、どこまで自分でできるのかといった情報整理がまず必要です。

 
 「片付けくらい言われなくたって出来るし、今はそんなに部屋も汚れているわけではない」
と言われることも想定して、そんな普段の言動から周囲のことにどれだけ関心が向けられているか、
そうしたところの情報を固めていきます。
 
 
 
 加えてちょっとした失くした物、ケアの方で目星をつけて探し当てられるくらいの状況情報を積み上げてからのスタートですね。
 
 
 その人、つまりはご利用者様が「わたしは周りから出来ないと思われてしまったがために、
余計な第三者が入ってきて片付けの手伝いをしてくれるなんて!そんなお節介いらないわ、ムキーッ」
とならない為の第一段階。
 
 
 
 そうそう、、、、
 
 大概はまずこのブロックを打破することですね。
 
 
 
 とするなら、これはプラン達成のためのきっかけに過ぎませんけれども、
介助者側との信頼関係がどれだけ厚くなっているかどうかを試される機会にもなると思うのですがいかがでしょうか。
 
 
 
 「身の回りの片付け、… が、できるように支援させて… 」とあるのだから、
その人の思考パターンなどの情報は特に重要。
 
 
それこそ本人が仕舞い込んだ上着が誰かに盗られちゃったのよ、
なんて発言があったら順を辿って一緒に探して見つけてあげて、
最後はうまく本人のフォローをしてという流れになると思いますよね。
 
 
 そうするとあらためて物やら部屋を片付けてあげよう、
整理整頓という視点ではなくて、本人が日常どんなことを考えているか、
なぜそれを求めているのかを多角的にわたしたちが知っていくということがこのプランの本質にあるものだと思えてきます。

 
 自分で片付けた物が自分で探し出せなくなったとするなら、
普段の行動パターンは癖などを思い起こすことが必要で、
ご利用者様本人から言われるままにクローゼットやら、
衣装ケースを一緒になって漁ったところで疲れるばかりです。
 
 
 もっともそうしたアクションから意外な発見にも繋がることもあるのですけれどもね。
 
 
 実際に文字通りの片付け、というワードにフォーカスするなら
少しづついわゆるダンシャリを1シーズンごとにでも行っていくことの方がベターです。
 
 
 
 
 行動には理由があるのだからそうした理由、どうして出かけたいのか、
そこで何をするの? 

このことを認知症の方に繰り返して問うことも
質問を繰り返す堂々巡りになるとは思うけれども、

最後に理由づけが見えたときにはきっとその方へのカスタマイズされた
方法をみんなで作り上げられていくのだと思いますよ。
 
 
 
 
 ファイトです。

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