【レビー症型認知症 シャドウピープルとの付き合い方】

認知症対応〜レビー症型 

シャドウピープルが見えてしまう!

 

事例 

92才 短期記憶欠落型の認知症から独居は困難、家族同居となるが本来無いものを見えると主張あり、
特に夜間の興奮も治まらないため専門医の診断にて「レビー小体型認知症」と判明。

 


同居生活も不安があるということで長女よりグループホームでの入所を希望される。

 

 

 

性格は温厚であるが日常的に時間を問わず幻視あり、
都度周囲からも「見えているのはあなただけよ」と指摘されている。

 

 

昼間の時間なら「あそこにいるの誰やん」など訴えがあったとしても、
まだまだ本人も冗談で捉えていることもあるため日中は笑って過ごすことができているが、
夕食の準備に差し掛かる17時頃となると被害意識はどんどん高まっていきます。

「ちょっとー!あそこにいる人が刃物持ってこっちを見ているのよ、なんとかして〜!」
と言われるというよりは叫んでしまうことも日常化している。

このまま落ちつかず夕食も摂ることができないこともしばしばあり、
生活上でやらないとならない口腔ケアや更衣、ナイトケアなどを通じて多少は
気が紛れたり普通に過ごすこともできているが、その後が課題となる。

 

やはり20時あたりを目処に幻視も再開、かつ重度となる。

訴えも悲痛な状況だけではなく、
このままにしていたらいずれ転んだりするのではないのかい?
という印象です。

時間を見て落ち着けばいいのですが、
そのまま大声を出し続けて朝まで経過なんてこともあったりします。

 

 

 

ADL的には一部介助、認知レベルは日常生活には何らかのサポートが必要とされるレベルです。

 

 

 

さて、そんな方への対応はどんな風なケースがよりベターかと思いますか?

 

 

 

 

改善取り組みへの事例 

 

 

代表的なところでは

 

・頭から否定しない

どんなに現実離れしていようとご本人は実際に感じていますから、
訴えを受け止め、頭から否定しない。

 

・安心感を

ご本人が不安に陥らないか判断。

 

・興奮している時の対応。

 

・部屋を明るく

 

・気分転換

 

 とありますが、こうして見ていくとなんだか拙い指南ですね。

 というわけで、まずは

 

 

1、傾聴 

というのは特に何も直接的な身体介助はいしていない状態。
会話を合わせてみたところでもうなるようにしかならない。
受容、共感とはいえ、話も支離滅裂なことも多く、
ケアとはいえ話を合わせるのに疲弊してしまったりする。

 

とりわけ大変なのが夜勤者。
ワーワーと言ってしまって落ち着かない時には傾聴で済むはずもなく、
何はともかくも不測の事故をおこさないようにと当事者のみならず、
他のご利用社様への目配せ、配慮も欠かせない。

 

2、他のご利用者様と過ごす時間を増やす

 

 

席も隣り合う方々と歓談している時間があれば、
気も紛らわせるというよりも普通に円滑なコミュニケーションとして
楽しい時間を過ごしていただけるようにも見てとれます。

それでも「あんたにしか見えない」ことがあるということも
知られてはいるくらいに日常的に幻視が表れています。

 

 

「ちょっと、刃物持った人が追っかけてくる!」

 

「足から虫が出てきてる、糸引いてるわ、どうにかして」

 

 

など自傷行為にもつながりかねない発言を伴うケースもある。

 

 

一概に会話や歓談の時間を通して幻視を緩和しようにも、
一度スイッチが入ってしまうことになってしまうと、
当事者のご利用者様の人格を否定してしまうことにもつながりかねないので、
わたしたち介護者はどんなサポートをしていけるかというところを
押さえなければなりませんよね。

環境整備とは常々よく言われますが、文字通りの環境としての導線やら物品や家具の配置だけに止まらず、
日課、予定、誰がその場にいるのかなど細やかな視点を持つことが必要です。

何かあれば「なんでそれを先に気づかない」と言われることは目に見えています。

 

 

3、レクリエーション、やる事をする時間を作る。

 

 

短期記憶は無くしてしまい勝ちではあるけれども、
まだまだ日常会話は成立しているし、
取り立てて大きなトラブルを引き起こしているわけではない。

とすると、体操やちょっとしたゲームや歌などの時間を提供することによって、
幻視をはじめとする日常の困ったことを忘れてしまえればという試み。

 

体操に集中できたり、積極的に何かに参加していただけるという時間が取れたら
「こんなことが出来るんだ!」と意外な好発見があるかもしれません。

 


それにアイデアとかその人のキャラクターだとは思うけれども、
ちょっと不穏な状態は起こった際には、
ケアサイドとしてもあまり生真面目に対応せず、
軽く冗談で流すくらいの余裕が持てていたら、
その場の雰囲気も変わるかもしれませんよね。

 

 

 

「あそこに誰かいる!? ちょっと助けて!」


なんて言われたら

 

「え、どこ、どこにいい男いるの??いい男だったら嬉しいじゃない」

 

場  アッハッハ、、、、(笑)

 

などとさらりと交わす。

 

 

 

これも一つに手ですよね。

 

 

 

どうにも大真面目に
「わかりました、大変なことはわかります。
そこの人に出て行ってもらうように伝えてみますね」
なんて変なポーズやらお芝居じみたことをするよりは、
軽く、明るく、短く、場の空気を乱さないうように、
そんな心がけができたら、ケアという仕事も楽しめるかもしれませんよね。

 

 

ところでケアプランには、

 

 

 

「本人が困っていたり、不安な時には傾聴したり・・・」、

「他のご利用者様との関わりに注意・・・」、

 

 

つまるところ、
どう対応しようにもその場を取り繕うような対応ばかりになりがち。

転倒は事故がないようになってさえ言えれば、と考えてしまうのも無理はない。

それから医療、家族、わたしたち介護職の中での見解は???

家族からの一つの意見としては、家にいた頃はもっとひどい状態だったんですよ、
施設に入って多少よくなって本当にありがたいです、でも、、、

 

 

 

「でも、」ということで何か思うところがあるのでしょう。

100%の信頼はなさそう。

それって施設やホームの運営側の問題もでもあるし、
直接介助で介入するケアの資質にも起因するところがありますよね。

施設側は? とりあえず医者の指示はそのまま全て受け入れて、
ちょっと診察に「?」と思うところがあってもそのままなことが多々あったりします。

そして、医師は???

最近はどうですか?なんて聞いてくるけれども

 

「日によって違いがあるから、様子を見ましょう」と

 

大体、いつもこのケース多いですね。

 

見ていると何だけか処方が変だよと思える状況がそのまま継続されていくという印象。

 

 

 

先日処方された薬がまるっきり効いてないので中止にした方がいいのでは?
こんな提案さえ会社は許さないこともあったりします。

 

 

う~~~~ん、、
この先どんな状況が見込まれていくのかわかりませんけれども、
気をつけてひとつづつ、真摯に対応していきましょう。

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ご感想や気づき、発見がありましたらこちらまでメッセージをください。
個別には対応できないことが多いですが必ず目を通しており、
今後の発信に活かしてまいります。

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